AGA治療

AGAとは

AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。

思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなってくる進行性の脱毛症であり、自然治癒することはありません。

薄毛を進行させるのは、ジヒドロテストステロン(DHT)という物質ですが、男性ホルモンであるテストステロンに、5α‐リダクターゼが作用してこのDHTが作られます。 多くの成人男性が悩んでいるAGAは、病院で適切な治療を受けることで、多くの方に効果が現れ、精神的な苦悩から解放される方もいらっしゃいます。

AGA治療に用いる薬剤(日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドライン2017年版で「もっとも薄毛治療に有効」との評価を受けているもの)

  1. プロペシア(一般名:フィナステリド):2型5α‐リダクターゼを阻害する内服薬で、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を阻害することで進行を抑える薬です。現在世界60か国以上で承認されています。現在、ジェネリックもでています。
  2. リアップ(一般名:ミノキシジル):血管拡張作用や皮膚の線維化抑制効果のある外用薬。第一類医薬品であり、安全性に関して薬剤師の情報提供を受けたうえで、薬局で購入することも可能です。
  3. ザガーロ(一般名:デュタステリド):1型・2型5α‐リダクターゼ(2型の方が、前頭部や頭頂部の薄毛の進行に関与)の両者を阻害する内服薬で、2016年6月に発売されました。

プロペシア(フィナステリド)の治療効果

プロペシア(フィナステリド)の治療効果ザガーロ(デュタステリド)はフィナステリドよりも2型5α‐リダクターゼを抑制する効果があるため、より多くの毛髪数の増加が認められたとする報告がありますが、その分より高価で費用がかかります。コスト面と副作用(性機能障害)を考慮し、当院ではプロペシア(フィナステリド)を治療薬として用いております(単独ではなく、外用剤も併用します【後述】)。

「フィナステリドの内服では、症状(抜け毛)の進行を止めることはできるが、毛量を増やすことはできない」という情報も見受けられますが、それは効果発現までに時間がかかることと、患者様の求める内容とのギャップにもよると考えられます。

プロペシア服用単独の効果の概要(20代~50代の方を対象にした臨床試験を参考に作成)

内服期間 毛量改善
著明~軽度改善
現状維持
1年間 6割 4割弱
2年間 7割 3割弱
3年間 8割 2割弱

当院の治療方針

プロペシア単独でも効果のみられる症例(上記の表にある毛量改善のグループ)に対して

❶効果発現までの期間短縮
❷毛量改善のうち、より改善効果の高い(軽度よりも著明改善の)割合を増やす

ことを目的に、コスト高とならないように、市販のものを併用する治療内容を考案してみました。治療に用いるものは以下の3つです。2番目と3番目が市販のもので、私自身も使用経験があります。

  • ●プロペシア(フィナステリド)患者様が満足いただける毛量改善が得られれば、より安価なジェネリックに変更します。
  • ●リアップの代用として、より安価なプラセンタエキス配合の頭皮ローションを朝・夕(入浴後)の2回、頭皮に塗り込みます。
  • ●皮膚科のドクターが開発したシャンプー

シャンプーで頭皮の環境を整え、薄毛の進行をフィナステリドで抑制し、ローションで頭皮に刺激を加えて毛量改善を促進するという治療になります。上記の❶、❷の効果があるかどうかを検討するために、データを集積していく予定です。

症例提示

ホームページ掲載の許可を、ご本人よりいただいております。

第1例目の方を提示させていただきました。十分な症例数ではないので全体の成績に関して言及できませんので、経過の画像のあとにコメントも記載してあります。

治療開始前

治療開始前

1か月後

1か月後

2か月後

2か月後

4か月後

4か月後

プロペシア単独でも効果のみられる症例に対しては、ある程度の効果(特に効果発現までの期間短縮)が期待できると考え、この治療を開始しました。本症例では著効ということになりますが、年齢が若く(40代)、脱毛がみられた直後より治療を開始しているなどの好条件が重なっていることも、良い結果に影響したとも考えられます。今後のデータの蓄積が重要と考えております。

プロペシア(フィナステリド)の副作用と注意点

プロペシアの副作用として問題となるのは男性における性的な障害ですが、国内臨床試験では、性欲減退1.1%、勃起機能不全0.7%とそれほど高くはありません。また、プロペシアの半減期(*)は3~4時間半ですので、半減期の長さからも安全性が高いと言えます。このようにプロペシアは全般的には安全性の高い薬剤ですので、当院でも採用させていただいております。

(*)半減期:血中の薬物濃度が2分の1に減少するまでにかかる期間のこと。半減期が長くなると、副作用が生じたときに悩まされる期間が長くなることにもなります。

妊娠可能な女性はプロペシアの使用不可とされております。さらに、男子胎児を妊娠している場合は、ジヒドロテストステロンの抑制作用により男児の外性器の発育に影響を及ぼす危険性があるため、妊娠中の女性はプロペシアに触れないよう注意する必要があります。

コスト

どの施設でも、AGAの治療は自費診療となります。治療内容にもよりますが、施設間で格差があるのが現状です。

当院での自費診療はプロペシア(フィナステリド)を含んだ料金になります。

プロペシア初回 (初診にかかわる経費も含めて) 1万3000円
プロペシア2回目以降   1万円/月

ジェネリック(診療も含めて6000円)の提供は、基本的に満足のいただける結果が得られた場合に検討させていただくことにしております。

プラセンタ配合ローションとシャンプーの購入に関しては、来院時にその購入方法も含めて説明いたします(広告にあたるため商品名をご提示出来ないことをご理解ください)。1回の使用量や使用頻度にもよりますが、ローションは毎月1本、シャンプーは2か月に1本の購入で、2回目以降の診察で月1万8千円強~2万円程度になります。シャンプーは日常の洗髪用として使用できますので、これを含めなければ他施設より安価と考えております。

当院の治療を希望される方へ

フィナステリドの処方のため毎月の通院が必要になります。前述のごとく、データを集積していく必要がありますので、初診時に同意の上(同意書に署名していただきます)、毎月の診察時に頭髪の状態を写真撮影させていただいております。集積されたデータをもとに、将来的には納得していただける治療の提供につなげたいと考えております。

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