逆流性食道炎

逆流性食道炎について

逆流性食道炎について胃酸を多く含む胃の内容物が食道内に逆流して、胸やけや呑酸、頻繁なゲップ、胃痛、咳、喉の違和感などの症状が現れる病気を逆流性食道炎と言います。主な原因は、胃と食道の間にある下部食道括約筋という筋肉が緩むことにあります。
これまでは、日本人はなりにくく、欧米人に多い病気とされてきましたが、近年の日本における食生活の変化に伴い、国内の逆流性食道炎の患者数が増加傾向にあります。

逆流性食道炎の主な症状

逆流性食道炎はどうして起こるの?

胃と食道の間にある下部食道括約筋という筋肉機能の低下が主な原因です。下部食道括約筋が緩むことで、胃酸が食道へ逆流してしまって、食道粘膜がただれ、腫瘍が発生したり、胸焼けなどの不快症状が現れます。
さらに、油っこい食生活を長く続けることで、胃酸の過剰分泌を引き起こします。そのほか、腹部の締め付けや、食後すぐに横になる、腹部に負担をかける動作や姿勢、妊娠などが原因となり、胃酸の逆流が起こります。

逆流性食道炎の検査方法とは

主に2つの検査によって診断を行います。

問診による診断

患者さんの現在の症状を伺いながら、逆流性食道炎かどうかを診断していきます。

胃カメラ検査による診断

胃カメラ検査による診断胃カメラによって食道粘膜を観察し、粘膜にびらんや潰瘍などの炎症の病変が見られる場合を「逆流性食道炎」と言い、胸焼けや呑酸などの自覚症状があるにも関わらず、胃カメラ検査では食道炎が見られない場合を「非びらん性胃食道逆流症」と言います。
これらの病状を総称して「胃食道逆流症(GERD)」と呼びます。以上のように、必ずしも症状と胃カメラで確認できる重症度が一致しないことが大きな特徴です。

診断のポイント

食後の胸焼けや呑酸などの自覚症状から、逆流性食道炎と診断することもあります。

Fスケール(8点以上となった方は逆流性食道炎の可能性が高いと診断されます)

0:ない
1:稀に
2:時々
3:しばしば
4:いつも

質問 記入欄
ない稀に時々しばしばいつも
1.胸焼けがしますか?01234
2.お腹が張ることがありますか?01234
3.食事をした後に胃が重苦しい(もたれる)ことはありますか?01234
4.思わず手のひらで胸を擦ってしまうことがありますか?01234
5.食べた後、気持ち悪くなることがありますか?01234
6.食後に胸焼けが起こりますか?01234
7.喉の違和感(ヒリヒリなど)がありますか?01234
8.食事の途中で満腹になってしまいますか?01234
9.ものを飲み込むと、つかえることがありますか?01234
10.苦い水(胃酸)が上がってくることがありますか?01234
11.ゲップがよく出ますか?01234
12.前かがみをすると胸焼けがしますか?01234

逆流性食道炎の治療方法

「薬物療法」と「生活習慣の改善」の2つの方法があります。

薬物療法

「PPI(プロトンポンプ阻害薬)」や「H2ブロッカー」など、胃酸の分泌を抑える薬を中心に処方し、辛い症状を改善していきます。

生活習慣の改善

生活習慣の改善患者さんの生活スタイルを伺いながら、疾患の原因となる習慣を改善していきます。脂っこい食べ物やお肉ばかりを好んで食べたり、満腹になるまで食べる、食べてすぐに横になるなどの生活習慣が原因となることが多く、逆流性食道炎の症状改善と悪化防止、再発防止を図ります。
食習慣以外にも、喫煙や飲酒、肥満、腹部の締め付け、前かがみが多い姿勢や動きなどに気を付け、逆流性食道炎が起こる原因を省いていきます。

食道裂孔ヘルニアに注意

食道裂孔ヘルニアに注意横隔膜の開口部から胃の一部が突出している状態を食道裂孔ヘルニアと言いますが、これが原因で逆流性食道炎を引き起こす場合もあるので注意が必要です。自覚症状がなければ問題はありませんが、食道裂孔ヘルニアが原因で胃酸の逆流が起きやすくなるケースがあります。この食道裂孔ヘルニアが原因の逆流性食道炎は、非常に治りにくく、継続した服用が必要です。主な症状は、胸焼けや胸の痛み、つかえ感などが挙げられます。そのまま重症化してしまうと、呼吸困難や食道が閉鎖するなどの症状を引き起こすので注意しましょう。

よくある質問

逆流性食道炎の特徴的な症状を教えてください

胸焼け、頻発するゲップ、喉のつまり感、呑酸、咳などが特徴的な症状です。これらの症状でお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。

若い人でも逆流性食道炎になりますか?

中高年や高齢の方に多いとされてきた逆流性食道炎ですが、最近では若い年代の方も増加傾向にあります。気になる症状がある方は、年齢に関わらずお気軽にご相談ください。

逆流性食道炎はどうやって診断しますか?

症状が特徴的なので、問診で患者さんの話しを伺うだけでも診断できる場合もあります。より正確に診断するためには、胃カメラ検査にて患部を確認していきます。

逆流性食道炎の予防方法を教えてください

予防の一番は生活習慣の改善です。食べ過ぎや飲みすぎに気を付け、食事も脂っこいものやお肉ばかり食べないようにします。過度な飲酒や喫煙も控えます。その他、肥満を予防し、お腹を圧迫しない姿勢や動きや、食後すぐに横にならないなどを心がけることが大切です。

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