胃カメラ(胃内視鏡検査)とは
胃カメラは、内視鏡を使って胃や食道の粘膜を直接観察できるので、胃がんの早期発見に有効な検査です。日本人に多いとされる胃がんは、内視鏡治療の技術の進歩により早期であれば内視鏡で切除することが出来るようになりました。内視鏡による切除は、開腹しなくても実施できるため、術後の回復が早く、早期治療であれば完治できる可能性も高まります。
以前に胃カメラ(胃内視鏡検査)で辛い思いをされた方も多くいらっしゃいますが、当院では、苦痛の少ない胃内視鏡検査が受けられるよう、最新の医療機器を導入し、患者様の負担を軽減しています。40歳を過ぎましたら、定期的に胃内視鏡検査を受けることで、病気の早期発見と適切な治療を行うことが可能となります。気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
経鼻内視鏡検査
鼻から内視鏡スコープを挿入するので、吐き気を催す舌のネモトに当たらずに済むので、経口よりも楽に検査を受けることができます。極細のスコープなので、鼻に麻酔をするだけで不快感を感じることなく受けていただけます。検査後に予定が入っている方、または鎮静剤でウトウトとした状態で受ける(呼吸抑制がまれに起こることがあります)ことに抵抗がある方、検査中しゃべれるので医師とコミュニケーションを取りながら検査を受けたい人にお勧めです。ご不明な点は、お気軽にご相談ください。
経口内視鏡検査
従来よりある胃カメラ検査で、口から内視鏡スコープを挿入する方法です。現在ではスコープが細くなっていますが、それでも吐き気を誘発する舌のネモトに当たるため、苦痛を和らげるために経鼻より多くの局所麻酔薬で前処置したり、鎮静下(ウトウト眠っている間に行う)内視鏡検査でないと受けることが出来ない方もいらっしゃいます。長所としては、経鼻より操作性に優れているので、より細かな操作が必要となる内視鏡による治療などには有効です。
※経口胃カメラ検査では嘔吐反射が見られることがほとんどで、新型コロナウイルス感染対策としての飛沫防止の観点から、患者様が本検査を希望されても、経鼻内視鏡検査に変更して頂いております。
当院の胃カメラ(胃内視鏡検査)の特徴
特徴1.苦痛が少なく安全な胃カメラ
当院では、苦痛の少ない胃カメラ検査を行うために、経鼻内視鏡検査をお勧めしています。口から胃カメラを挿入すると嘔吐反応を起こしやすいので、胃カメラに抵抗がある方は経鼻内視鏡がお勧めです。以前に受けられた口からの胃カメラ検査の辛い経験から、痛みや不快感が気になるという方でも、経鼻内視鏡なら「楽だった」とおっしゃる方がほとんどです。経口・経鼻にかかわらず、最初から鎮静下(ウトウト眠っている間に行う)での胃カメラを希望される方にも、鎮静で極まれに起こる呼吸抑制のリスクのない経鼻内視鏡をすすめており(安全性の追求)、そのほとんどで「鎮静なしでも楽に出来た」との評価をいただいております。鼻が狭くて、以前に「鼻からは入れない方がいい」と言われた方も殆どが通すことができるのですが、本当に挿入困難な方は鎮静下での内視鏡検査を行うこともあります。また、当院の経鼻内視鏡検査を一度受けられた結果、鎮静下の方が良かろうと判断された場合(ご本人の判断も含めて)、次回以降には鎮静下での内視鏡検査を行うなど柔軟に対応させていただきます。
特徴2.大型ハイビジョン液晶モニターを導入
当院では、大型ハイビジョン液晶モニターを導入しておりますので、ごくわずかな粘膜の色の変化や凹凸の詳細まで観察することが可能になりました。ご希望に応じて、患者さんにもリアルタイムで画像をご確認いただけます。
特徴3.世界初新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」を導入
当院では、世界初新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」を導入しています。光源が明るいため、粘膜状態を詳細に観察できます。鮮やかなHD画像によって微小な病変も見逃さないシステムによって、早期がんの発見にも有効です。
独自機能「BL I (Blue Laser Imaging)」、「LCI(Linked Color Imaging」が搭載されているため、微妙な粘膜表面構造や微細血管などの変化を観察することが可能です。
「LASEREO(レザリオ)」は、2つの波長レーザー光源装置を搭載し、それぞれ発光強度を変えることで、白色光観察と狭帯域光観察それぞれに適した光を照射でき、画像処理との組み合わせによって4つの観察タイプを切り替えて使用することができます。
白色光用レーザーは、蛍光体を発光させて白色光照明を得るための励起光として使われ、波長幅2nm、発振波長の個体差は440~460nmの範囲内となっています。
BLI用レーザーは、血管・表面構造の情報を高コントラストな信号として取得でき、波長幅2nm、発振波長の個体差は400~420nmの範囲内です。
※仕様内の波長であれば、撮影画像に差異が出ないようにシステム調整を行っています。
BLI(Blue Laser Imaging)画像
短波長狭帯域光観察BLIは、短波長レーザー光を照射し、高コントラストな信号に画像処理を行うことで、血管や表面構造の観察に適した画像を表示することができます。
発光強度で切り替えられる観察タイプ
短波長狭帯域光観察BLIは、短波長レーザー光を照射し、高コントラストな信号に画像処理を行うことで、血管や表面構造の観察に適した画像を表示することができます。
左:白色光は従来のシステムにあるキセノン光源と同等の色調です。FICEは分光画像処理を行い、微細な色の変化をより強調します。
中:中遠景までの血管や表面構造を強調し、BLIよりも明るい画像になります。
右:レーザーによる短波光成分を増やすことで、粘膜表層の血管や構造を強調させる画像を生成します。
胃カメラで発見できる疾患
胃カメラ(胃内視鏡検査)では、胃の粘膜を直接観察できるので、胃がんや食道がん、十二指腸がんなどの悪性腫瘍をはじめ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎、胃ポリープ、十二指腸ポリープ、逆流性食道炎と幅広い上部消化器疾患の発見に有効です。
検査の流れ
STEP1検査前
夕食後はお茶やお水など透明な飲料水だけ摂取可能で、腹部超音波検査を同時に行なう場合は当日の7時まで、同時に行わない場合は直前まで飲水可能です。
STEP2検査当日
朝のお薬がある方は、医師の指示に従ってください。
STEP3検査中
検査時間は約5~10分程です。
より正確な診断を行うために、色素をまいたり組織を採取(生検)したりすることがあります。終了後に検査内容を説明させていただきます
鎮静剤を使用した場合、検査終了後30~60分程ゆっくり休んでいただきます。
鎮静剤の効果が切れたら全身の状態を確かめ、検査内容を説明させていただきます。
検査費用について
検査内容 | 3割負担として計算(円) |
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胃内視鏡(※1) | 4,500円 |
+病理組織検査(※2) | +4,000~7,500円 |
+ピロリ菌検査(※3) | +1,950円 |
+鎮静剤の使用 | +40円 |
総額の目安(※4) | 4,500~15,000円 |
(※1)内視鏡検査のみの費用となります。別途初診料などが追加されます。
(※2)採取する臓器の数により変動いたします。
(※3)検査方法によって多少金額が変動いたします。
(※4)初再診料などを含めたおおよその費用ですが、ポリープ切除、アニサキスの摘除などの処理を行った場合、処置費などが追加されます。